ギャベについて

ギャベ "Gabbeh" とは、イラン南西部のザグロス山脈から南部ファールース州の高原にかけて遊牧生活をしているルリ族、カシュガイ族などの遊牧民によってはるか昔から織り続けられている、その地方の言葉で「粗い」という意味の毛足の長い絨毯のことです。

まるで子供が描いた絵のようなギャベの色とデザイン。近年ヨーロッパや日本を中心に人気の高いギャベは、アート感覚にあふれるこのユニークなデザインが最大の魅力といえるでしょう。

イランには世界的に有名なペルシャ絨毯があります。工房で職人によって織られるそれら絨毯はノット数(結び目)が平均およそ1cm四方に90〜100という精巧ぶりで実に豪華で繊細なデザインです。それに対してギャベのノット数は1cm四方におよそ10。いかにざっくり織られているかはその見た目からも明らかですね。ギャベにはデザイン、色、質感ともに素朴さ、大らかさがあふれています。

ギャベに図案などはなく、織り手である遊牧民の女性たちが人や動物、花などをモチーフに、イメージを膨らませながら即興で織り上げていくため、同じものがひとつとして存在しません。羊毛を手で紡ぎ、草木染め、手織りで作り上げていきます。 青(ケレンデという植物)、赤(アカネやザクロ)、黄(ザクロの皮やピスタチオ)、茶(クルミの殻や木の皮)、緑(ジャシールという木の葉や枝)などが使われ、発色が穏やかで部屋に飾るとなんとも温かみのある落ち着いた雰囲気にさせてくれます。 おそらく茶は大地、赤はその大地に沈む夕日、青はゆったり流れる川、緑は夏の草原なのでしょうか…ギャベを眺めていると彼女たちの視線の先に広がる山岳地帯の雄大な景色を想像せずにはいられません。 草木染めの他に「ナチュラル」と呼ばれる種類があり、これは染めずに羊毛そのものの微妙な色の違いのみでグラデーションなど出しているものです。 近年は、100%草木染めのギャベ以外に、科学染料が一部使われたギャベも出回るようになっています。

ふかふかに織られたギャベは、寒暖の差が激しい山岳地帯や砂漠などを旅する遊牧民たちを、おそらくテントの敷物として寒さから守ってくれたことでしょう。 自然の温かさや力強さが伝わってくるような純朴な雰囲気のギャベは、ほっと人の心を和ませてくれます。

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ギャベのお手入れ方法

普段は掃除機でゴミや埃を吸い取り、時々干して風に当ててください。

草木染でも色落ちはします。ひどく濡れるなどした場合に色にじみや色移りすることがありますのでご注意ください。濡れた時にはすぐに乾いた布などで十分に水気を取り除きます。

コーヒーなどをこぼしてしまった時は、すぐに塩をかぶせて水分を吸い取らせたら、乾いた布で塩を取り除き、濡れた布で叩き拭きして再度乾いた布で押さえながら水分を取ります。


洗濯をする時は、色移りの原因となりますのでお湯ではなく必ず水を使います。
洗剤は頭髪用シャンプーが良いでしょう。色落ち防止効果のある塩を混ぜるとより良いかもしれません。傾斜のある平らな場所にギャベを置きブラシ等で洗い、水で十分に洗剤を流します。そのまま数時間置き、傾斜を利用して水が自然に抜けるのを待ちます。別の平らな場所で形を整えてしっかり乾かします。

ドライクリーニングは避けましょう。

長期間使わない場合は湿気のない場所(暖房器具の横や直射日光の当たる場所は避ける)に保管し、防虫剤を使用するとよいでしょう。巻いて保管する場合は、毛のある側を内側にして巻いてください。


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